代表の想い ―『残りの人生は、子どものために使おう』
はじめまして。「どんぐりのひみつきち」代表の岡安光彦(おかやす・みつひこ)です。看護師として保育園と重症心身障がい児の施設で働き、YouTubeでは「どんぐりおじさん」として医療的ケアのことを発信しています。このページでは、私がなぜ2027年4月、大阪市平野区に重症心身障がい児専門の放課後等デイサービスを開こうと決めたのか、その原点をお話しさせてください。
保育園の看護師時代 ― 子どもたちの笑顔に救われた日々
私のキャリアの原点は、保育園の看護師です。子どもたちの体調管理やケガの手当てが仕事でしたが、いま思い出すのは仕事の中身よりも、子どもたちの顔ばかりです。
私はもともと、くだらないギャグを言うのが好きな人間です。大人には呆れられるようなギャグでも、子どもたちは体を折り曲げて、涙が出るほど笑ってくれました。「もう一回やって!」とせがまれて、同じギャグを何度も繰り返す。あの時間が、私は本当に好きでした。
今でも忘れられない光景があります。朝一番に登園して、夕方、最後までお迎えを待っている子どもたち。大人の勤務時間より長い時間を園で過ごしているのに、文句ひとつ言わず、毎日を全力で遊び、全力で笑う。「この子たちは、社会人以上に頑張ってるんやなあ」と、何度も胸を打たれました。
当時、仕事や暮らしに疲れていた私を救ってくれたのは、間違いなくあの笑顔でした。看護師の私が子どもたちを守っているようで、実際には、私のほうが子どもたちに支えられていたのです。
『残りの人生は、子どものために使おう』と決めた日
「子どもたちに、こんなにもらってばかりでいいんだろうか」。保育園で働くうちに、その気持ちは少しずつ大きくなっていきました。
そしてある日、はっきりと決めたのです。『残りの人生は、子どものために使おう』と。
劇的な転機があったわけではありません。毎日の小さな笑顔の積み重ねが、私の人生の向きを静かに変えました。子どもたちからもらった元気を、今度は私が返す番だ。そう思えたとき、看護師としての自分の役割が、初めてくっきりと見えた気がしました。この言葉は今も、私のすべての判断の物差しになっています。
重症心身障がい児施設で見えた、医療的ケア児のご家族の現実
その決意のあと、私は重症心身障がい児の施設で働き始めました。人工呼吸器や気管切開、経管栄養、たんの吸引といった医療的ケアを日々担当し、個別支援計画(お子さま一人ひとりの支援の設計図となる計画書)の作成にも携わってきました。現在は、児童発達支援管理責任者(事業所の支援全体に責任を持つ専門職)の実践研修を2026年12月に修了する見込みです。
現場で子どもたちと向き合う中で、同じくらい強く心に残ったのが、ご家族の姿でした。
- 医療的ケアがあると預かってもらえる場所がなかなか見つからない、という「預け先のなさ」
- お子さまの体が大きくなるにつれて重くなっていく、毎日の入浴介助の負担
- 日曜や祝日は預け先が閉まっていて、ご家族が休める日がない、という現実
お子さまを深く愛しているからこそ、ご自分の疲れはいつも後回しになる。そんなご家族が「ここになら安心して預けられる」と思える場所を、医療的ケアを知る看護師の私がつくらなければ。施設での日々は、その思いを固めてくれました。
「どんぐりのひみつきち」という名前に込めた3つの意味
事業所の名前には、3つの意味を込めました。
- どんぐり…小さな実が、やがて大きな木に育つように。どんな子どもの中にも、育っていく力があるという願いです
- ひみつきち…家でも学校でもない、子どもにとっての「第三の居場所」。放課後にわくわくしながら帰ってくる、自分たちの基地です
- 探検隊…ここに通う子どもたちは「どんぐり探検隊」。「やってみたい」「挑戦したい」を応援し合う仲間です
送迎に使う福祉車両の名前は「どんぐり丸」。車いすやバギーのまま乗り込んで、ひみつきちへ出発します。私たちのタグラインは「呼吸器も、いっしょに探検へ。」。医療的ケアがあることは、探検をあきらめる理由にはならない。それが、この名前に込めた私のいちばんの願いです。
YouTube「どんぐりおじさん」として発信を続ける理由
私はYouTubeチャンネル「どんぐりと学ぶ 医ケア児・重心ケア」で、「どんぐりおじさん」として発信を続けています。
医療的ケア児や重症心身障がい児のケアについて、現場で働いてきた看護師の目線で、できるだけやさしい言葉でお伝えすることを心がけています。始めた理由はシンプルで、情報が足りないことでご家族が孤立してほしくないからです。
顔と名前を出して発信しているのは、開業前の事業所を検討していただくうえで、「どんな人間が運営するのか」を先に知っていただきたいからでもあります。動画の中の私も、ひみつきちの私も、同じどんぐりおじさんです。安心材料のひとつとして、のぞいてみていただけたらうれしいです。
仲間の「挑戦したい」を全力伴走 ― 2027年4月の開業に向けて
どんぐりのひみつきちの理念は、「仲間の"挑戦したい"を全力伴走」です。
ここでいう仲間には、どんぐり探検隊の子どもたちはもちろん、ご家族も、一緒に働く職員も含まれます。子どもの「やってみたい」に伴走する。ご家族の「休みたい」「相談したい」に伴走する。職員の「こんな支援がしたい」に伴走する。その積み重ねの先に、小さなどんぐりが大きな木へ育っていく景色があると信じています。
だからこそ、ひみつきちは日曜・祝日も営業する計画です(火曜定休)。毎営業日の入浴の機会をつくって、ご家庭の入浴負担を軽くしたい。そして看護師である私自身が現場に立ち、医療的ケアのあるお子さまの「挑戦したい」を支えたいと考えています。
「どんぐりのひみつきち」は、2027年4月1日の開業を目指して、大阪市平野区で準備を進めているところです(大阪市へ指定申請予定)。まだ生まれる前のひみつきちですが、だからこそ、ご家族の声を聴きながら一緒につくっていきたい。あなたとお子さまにお会いできる日を、心から楽しみにしています。